新築戸建ての建売住宅を探し始めるとき、スーモ(SUUMO)やホームズ(HOME’s)といった不動産ポータルサイトを見る方も多いかと思います。相場や地域の雰囲気を知るには良いのですが、「良い建売住宅をお得に買いたい!」と考えた場合には別の方法がオススメです。
今回は2020年に建売住宅を購入したわが家が、その経緯や値引き率、オススメの探し方について解説します。
住んだ感想やメリットデメリット、後悔しないためのポイントについてはこちらの記事をどうぞ
建売を購入した経緯
注文住宅にするつもりだった
わが家は2020年に、地元工務店の建売住宅を購入しました。しかし当初は建売を買うつもりはなく、注文住宅を希望していたのです。そのため休日には大手ハウスメーカーや地元工務店の住宅相談会に参加したり、資料請求や見学会へ参加していました。
完全にゼロからの注文住宅は高額になりがちですが、最近では「セミオーダー」という半注文住宅のようなパッケージやプランがあります。床面積や設備にある程度の制約はあるものの、比較的安く自分たちの理想を叶えられて良いな、と考えていました。
振り返ってみると、この時のハウスメーカー巡りは土地の相場や家を建てる際に必要な経費などの勉強になり、建売を購入する際にも参考になる良い経験だったと思います。
建売住宅と分譲住宅の違いとは
「建売住宅」とよく似た言葉に「分譲住宅」もあります。どちらも既に建っている家を購入する、という意味で同じように使われています。ただしハウスメーカーによっては「建売」は土地に建てただけ、「分譲」は土地開発から、と使い分けている場合も。
ちなみに私たちが購入した物件は元は大きな建物があった土地でした。厳密な区別はされないようですが、本記事では「建売住宅」の言葉を使っていきます。
ハウスメーカーと工務店の違い
また同様に「ハウスメーカー」「ビルダー」「工務店」も、どれも住宅工事をする会社の意味です。事業者規模によって使い分けることもあるそうですが、本記事ではわが家が契約したのを「工務店」、「ハウスメーカー」は一般的な呼称として使っていきますのでご了承ください。
工務店
- 対応エリアが限定的
- 施主施工ができるなど自由度が高い
- 人員が限られているためスタッフの急病時など変わりがいない場合も
ハウスメーカー
- 対応エリアが広い
- プランがあり決めやすい
- 人手が多い分連絡が行き渡らない場合も
パワービルダーとハウスメーカーの違い
一言で建売住宅と言っても、「パワービルダー」系とハウスメーカーや工務店が建てた建売とに分けられます。パワービルダーは建売専門で、新築住宅を大量に建築し一気に売ることで標準よりも安い価格で販売する会社です。
パワービルダー
- 価格が相場よりも安い
- 似たような外観や間取りになりがち
- 内装や設備、断熱材のグレードが低い場合も
建売を買った理由:好条件で大幅値引きされたから
わが家が地元工務店の建売住宅を購入した最大の理由は「安かった」から!
最初に内覧した際の感想は「素敵だけど、理想でない間取りや条件でこの値段は高い」というものでした。駅近くという立地を諦めれば、同じ値段で理想の間取りの家が建てられる価格だったのです。
ところが2020年、コロナの影響で一度売れた家がキャンセルになったり、新規のお客さんが少ない状況に。そのためその時点で完成していた数軒が、完成から3ヵ月しか経っていないにもかかわらず15%引きという大幅な値下げをされることになりました。この値引き率は後にも先にもないレベルだったそうです。(あくまで営業さんから聞いた話です)
結果的に「この立地でこの値段は安い!」というお買い得な状況になり、購入を決めたのでした。
建売はどれくらい値引きされる?
「建売」と言っても、建売専門パワービルダーから注文住宅も建てる工務店の建売まで様々。そのため仲介の有無やお店の方針によって値引き率は異なり、値引きを行わない場合もあります。ただし一般的に、建売住宅の値引き率は元の価格の5%程度、と言われています。(3,000万円の物件であれば150万円ほど)
また値引きにはタイミングも重要です。新築物件は1年で新築ではなく「新古物件」となってしまうため、売主は完成から3ヵ月、半年、あたりで値引きを行う傾向があります。
私は住宅情報を見るのが好きなこともあり、実際に家を購入するまで5年近く住宅情報をチェックしていました。その時に集めた情報と、購入時の経験から私たちが購入した工務店の値引き傾向は、以下の通りでした。
- 完成時から3ヵ月ほど売れなければ100万円引き
- さらに購入時に端数を切る値引き
例:完成時に3498万円の家は、3ヵ月後に値引きされ3398万円に。内覧へ行くと営業さんから「今購入されるなら端数を切って3300万円にします」と言われる。
もちろん例外的に早く値引きされたり、半年経っても値引きされない物件もありました。あくまで予想ですが、問い合わせの数や元からギリギリの価格といった事情によって差があるのだと思います。
オススメはハウスメーカーや工務店の建売住宅
良い建売住宅を探すポイントは、注文住宅も建てているハウスメーカーや工務店の物件を探すことです。建売専門のパワービルダー系と比べてなぜお得なのか、理由を解説します。
仲介手数料がない売主であることが多い
建売住宅は取引形態として「売主物件」と「仲介物件」があります。
「売主物件」は建てたハウスメーカーや工務店が売るので、物件数は少ないですが仲介手数料がかかりません。「仲介物件」は様々なハウスメーカーが建てた物件を扱うため物件数が多いのですが、仲介手数料がかかってしまいます。
仲介手数料の詳しい計算方法は省略しますが、大抵は「販売価格の3%+6万円」を上限として計算されます。つまり、3,000万円の物件では96万円、なんと100万円近くの仲介手数料が発生することになるのです。
パワービルダーの物件は一般的に「仲介物件」。そのためハウスメーカーが売主として扱っている建売を直接購入する「売主物件」の方が100万円近くの節約になるのです。
品質が高い
ハウスメーカーの建売は注文住宅を建てる人の参考や、来場者向けのモデルハウス代わりに使われることもあり、注文住宅に使われるのと同じ工法や断熱材で建てられることが多いと感じます。設備は安いグレードの場合もありますが、多くの人に見てもらうためあえて高いグレードが設置されている物件もありました。
また複数件建てられる分譲地の場合、外壁や床の色、設備のメーカーにバリエーションをもたせて、雰囲気の異なる家を一度に見学できるようなところも。そういった家は建売感が薄いというメリットもあるそうです。
照明やエアコンが付いている場合も
建売専門で建築されている物件は広告での価格が安く一見とてもお買い得に思えます。私たちも「多少設備をグレードダウンして何百万円も安いならそれもアリだな」と考え、見積りと内覧をさせてもらったことがありました。
しかしそういった建売物件は住むのに必要である、カーテンレールや網戸が付いていません。また当然照明やエアコンもなく、物件によってはカップボード(食器棚)や外構費用もかかります。これらに仲介手数料を加えると、表示価格に200~300万円追加でお金がかかることが分かりました。
一方、ハウスメーカーの建売の多くはカーテンレールや網戸、カップボードが付いています。わが家の場合、カーテンやエアコンに加え、テレビ台など一部の家具まで付いていました。さらに外構のコンクリートと植栽まで完成されていたため、建売専門物件とは逆に全部込みのお得物件だったのです。
複数件建てる場合は隣家に配慮された間取り
広い土地を整備して同じハウスメーカーが何棟も建てた物件の場合、間取りや採光が隣家の間取り位置まで考慮されることもあります。わが家もリビングの位置をズラして設計されているので、家同士の距離が近くても音が全く気になりません。また玄関の向きが南ではなくても、駐車スペースの空間をそろえることで庭の日当たりが良い物件でした。
建売住宅でもどこまでこだわって設計しているか、というのはハウスメーカーによって差があるため、その辺りは営業さんに確認してみてくださいね。
アフターフォローも安心
注文住宅も建てているハウスメーカーでは、建売住宅も同様にアフターフォローしてくれる傾向にあります。わが家が購入した工務店も長期補償や点検はもちろん、リフォーム工事にも対応してくれる会社でした。何十年も住む予定の家なので、売主物件はアフターフォローの観点からも安心感が大きい物件です。
まとめ*建売希望だからこそ注文住宅を見てほしい!
建売住宅を探すとき不動産ポータルサイトは手軽ですが、本格的に購入を考えている場合にはハウスメーカーや工務店に相談しておくことがオススメです。
建売を建てているハウスメーカーの営業さんから直接連絡が来る状態にすれば、建築前の物件や値下げ情報といったお得をいち早く知ることができます。実際にわが家が購入したエリアのご近所さんは「広告を見てからすぐ問い合わせたのに最後の1件だった」と言っていました。
また建売を販売していない会社でも注文住宅を検討したり実物を見ることで、お金のかかるポイントや相場を把握できます。いざ良いと思った建売の質が「本当に良いものか?」「値引き額は適正か?」ということを早く判断できるようになり、大幅値引きのチャンスをつかめるからです。
資料請求や予約はネットでカンタンにできる!
今はインターネットで簡単に資料請求や相談、住宅展示場の予約ができます。資料の一括請求はサイトごとに同じことを入力する手間がかかりませんし、来場予約では特典がもらえることも。こうしたサイトはハウスメーカーや工務店からの紹介料で運営しているため、お客さんは無料で利用できます。
建売住宅を考えているからこそ、ぜひ注文住宅の資料請求や見積り相談をしてみてくださいね。
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